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今更バトルロワイアル 少年犯罪とBR法

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◆今更バトルロワイアル

映像で見たのは初めて。huluさまさまです。

小説版は発売当時の中学生時代に、漫画版は高校~大学時に読みました。

同じ時間で鑑賞しろと言われるなら、漫画版>映画版>小説版でしょうか。

漫画版は連載ということもあり、クラスメートの人間関係・心理状態の描写が緻密です。

 

◆印象的なシーン

漫画・映画・小説版を問わず、印象的なシーン・考えさせられるシーンは灯台で女子5人が仲間割れするところです。委員長グループの仲良し3人と不眠症の優等生、主人公のことを誤解している気弱そうに見える生徒。

疑心暗鬼がさらに鬼を呼び、混乱の中へ。渦中、最後まで説得を続けようとする委員長の姿勢がとても印象的でした。結局5人とも死んでしまいましたが、どうすればあの時点で一人でも犠牲者を少なくすることが出来たのか。それぞれの今までのポジション・スクールカーストの問題もあります。

この映画を見て、「桐島、部活辞めるってよ」のことを考えると、カーストのことに更に意識が向きます。

 

◆残酷なのは中学生?それとも大人?

 

クラスメート40人が2時間の映画の中で死ぬわけですから、120分÷40で3分に1人は死んでしまう計算になります。それぞれの事情を抱えて。

この作品で殺し合うのは中学生ですが、殺し合いをさせているのは政府であり、大人です。

 

◆少年犯罪とBR法

当時は西鉄バスジャックなど、少年犯罪が社会的注目を集めていたそうです。僕はまさにバトルロワイアル世代。主人公と同じ学年でした。この映画に対する規制も話題になっていたようです。国会でも質疑が行われたほど。(僕は映画なんて見れるような場所に住んでいなかったし情報にも疎かったので、映画規制が行われたことも特に興味はありませんでした・・・。)

また上映開始年となった2000年は西鉄バスジャック事件を初めとする少年犯罪が社会的注目を集めている時期でもあったことから、当時の衆議院議員石井紘基が中心となりこの映画の規制を求める運動が行われ、石井は2000年11月17日、国会(第150回国会文教委員会)で大島理森文部大臣にこの映画に対する政府の見解を求める質疑を行った[3]

現実にあった国会での質疑を踏まえたうえで、フィクションであるバトルロワイアル法が始まった経緯・・・。(両引用ともWikipedia

新世紀の初め、ひとつの国が崩壊した。自信を失くし子供たちを恐れた大人たちは、やがてある法案(バトルロワイアル法)を可決、施行する。 

 

無論、犯罪を擁護するつもりはありませんが、なんとなく現実と虚構の法案成立がオーバーラップするような・・・。入口として少年犯罪が起こり、現実の国会質疑、それがエスカレートしてフィクションとしてのBR法成立。

 

◆評

映画を見ただけでは、残酷な映画と評する人もいるかも知れませんが、

他の派生作品や、深作監督の制作経緯も知ると、社会派の作品と言えると思います。

また、今見ると豪華な俳優陣や、他のモブキャラの現実での行く末をウィキペディアで見ても楽しいです。40人いるので時間がかなり潰せます。

 

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